Auto Labo Racing、2台体制で灼熱の九州ラウンドに挑む!
2025年7月25日から27日にかけてオートポリスインターナショナルレーシングコースで開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第5戦 スーパー耐久レース in オートポリス」において、Auto Labo Racingは、今回ST-4クラスの「スイフトスポーツ」とST-5Fクラスの「素ヤリス」の2台体制で前回SUGO戦から短期間での参戦でした。
以下、レポートからの抜粋となります。
チーム体制と新たな挑戦
今回のオートポリスラウンドでは、No.291 素ヤリス組はBドライバー小尾夏月選手、Cドライバー茂利大輔選手、Aドライバー吹谷禎一郎選手が担当しました。3人全員がオートポリス未経験という状況でしたが、グランツーリスモやシミュレーターでの事前トレーニングを積んで臨みました。
一方、No.290 スイフトスポーツ組は、Aドライバー横尾優一選手、Bドライバー伊藤大輔選手、Cドライバー西村和則選手という経験豊富なベテラン揃いの布陣で参戦しました。いずれの選手もオートポリスの走行経験があり、安定した走行ペースでスイフトスポーツのセッティングを進めました。
準備走行(占有走行):コース習熟とタイヤマネジメントの鍵
レースウィーク初日の7月25日(金)は全ドライバーが走行し、素ヤリス組は午前中の占有走行で吹谷選手、茂利選手、小尾選手の順で走行しました。茂利選手は早々にコースのコツを掴み、去年の平均的なレースペースと同じ2分22秒台を記録。走行後には3人で車載動画を確認し、午後の走行に備えました。午後の2時間の占有走行ではロングランを中心にマシンの挙動確認やセッティング変更を試み、全ドライバーが軒並み安定した走行ペースを見せ、ドライビングの基礎を固めました。
オートポリスはタイトなコーナーや大小様々なRを持つ複合コーナーが多く、タイヤの摩耗がタイムに影響しやすいレイアウトであることが特徴です。特にFF車であるスイフトスポーツは、フロントタイヤをいかに持たせるかが決勝での重要なポイントとなりました。スイフトスポーツ組は、ベテランドライバー陣が安定した走行ペースでセッティングを合わせていきました。
予選:厳しいコンディションの中でのタイムアタック
7月26日(土)の予選日、午前のフリー走行では路面がスリッピーで挙動が異なる状況でした。
No.291 素ヤリスの予選では、Aドライバー吹谷選手が新品タイヤでスタート。プレッシャーを感じながらも、事前の準備が実を結び2分18秒756という自己ベストタイムを記録し、チームの期待に応えました。続くBドライバー小尾選手も新品タイヤの性能を最大限に引き出し、2分18秒291の好タイムを記録しました。Cドライバー茂利選手は中古タイヤで1周のみアタックし、混雑する中でも2分20秒644を記録、Cドライバーの中では7位となりました。A・Bドライバーの総合結果で決定される予選結果は、クラス8位となりました。
No.290 スイフトスポーツの予選は、Aドライバー横尾選手がヤリスカップの決勝直後にも関わらず2分10秒159を記録してスタート。続いて出走したBドライバー伊藤選手にOBDのエラーが発生し、エンジンが吹けなくなるトラブルに見舞われました。しかし、富士24時間での経験からセンサー交換を2〜3分で完了できるよう改良済みであったため、すぐに復旧し、Cドライバー西村選手が2分12秒450のタイムを記録しました。
決勝:粘り強い走りで完走、トラブルを乗り越える
7月27日(日)の決勝日は、雲と雨が入り混じる複雑な天候となりました。
No.291 素ヤリスは、吹谷選手がスタートドライバーを担当。道幅の狭いオートポリスで上位クラスのトラフィックを避けながら、22〜23秒台の好ペースで1時間半のスティントを完遂しました。その後、茂利選手に交代し、22秒台の安定したペースで約1時間を走行し、タイヤ摩耗によるタイムダウンを最小限に抑えました。残り2時間30分の時点でクラス7位となり、小尾選手に交代。直後にコース上でクラッシュが発生しFCYが発動しました。無線トラブルが発生しピットの声がほとんど聞こえない状況でしたが、小尾選手は國松監督の意図を汲み取り、FCYからセーフティカーに切り替わると同時に迅速なスプラッシュピットインを成功させ、タイムロスを最小限に留めました。残り50分で再び茂利選手に交代。無線トラブルが続く中でも、車内でイヤホンジャックの差し具合を調整して対応し、最後までクルマをいたわりクラス6位で完走を果たしました。
No.290 スイフトスポーツは、予選結果の関係でほぼ最後尾からのスタートとなりましたが、Bドライバー伊藤大輔選手が流石のプロドライバーの走りで2分11秒のベストタイムを記録し、序盤でクラス8位から7位へポジションアップ、43周ものロングスティントをこなしました。続いて横尾選手が約1時間を走行し、周囲のトラフィックに適応しながら淡々と周回を重ね、西村選手へと交代。この時点でクラス7位を維持し、4位〜6位との差を1周に留め、上位進出が狙える位置にいました。しかし、最後の1時間を担当した横尾選手が残り47分の時点で再びトラブルに見舞われ、スロー走行を余儀なくされました。それでも粘り強くピットまで辿り着きコースに復帰。最終的にクラス8位、総合44位でチェッカーを受けました。
國松代表コメント:未来への継続的な挑戦
「今回はST-4とST-5Fの2台体制で多忙なレースウィークでした。
素ヤリスは前回に引き続き安定したドライバー布陣で、安⼼してマシンを任せることができ、予選は厳しいですが決勝は中団に⾷い込む勢いを⾒せています。
スイフトスポーツは投⼊初年度ながら信頼性は徐々に増しており、トラブルはありつつもスズキ⾃動⾞さんのサポートをいただきながら知⾒を深めています。
どちらも唯⼀の参戦⾞種ということでメディア取材も多く受けておりありがたい限りですが、まだまだノウハウ蓄積は必要で、今後もメーカーさんとの協⼒関係を深めていきたいと思います。」
スーパ耐久TV【公式Youtubeチャンネル】第5戦 スーパー耐久レース in オートポリス 決勝
Auto Labo Racing
#290「スイフトスポーツ」参戦クラス:ST-4
#291「素ヤリス」参戦クラス:ST-5F
【見どころ】
1:02:25 チーム紹介
6:23:11 「素ヤリス」チェッカーフラッグ
6:23:41 「スイフトスポーツ」チェッカーフラッグ
オートポリスでのタフなレースを終え、Auto Labo Racingは2台体制でのオペレーションを熟成させつつ、確かな手応えを得た結果となりました。「素ヤリス」は安定したパフォーマンスでクラス6位完走、「スイフトスポーツ」もトラブルを乗り越え完走を果たし、両車種の「唯一」の存在としてメディアからも注目されています。
ヨシノ自動車は、これからもAuto Labo Racingの挑戦を応援し続けます。
【Auto Labo Racing】スーパー耐久Rd.5-オートポリス_レポート[PDF]
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